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尾田栄一郎 インタビュー 2012年

出典:2012年12月6日発売 『日刊スポーツ増刊 週刊ワンピース新聞 第3弾 ナミ&ロビン号』

■「少年漫画家」へのこだわり
──今でもアニメはライバルですか

尾田:そうですね。ライバルだし、救われることも多いですね。何か原作で、これ描き足りなかったなあと思うところをアニメに言っておくと、すごく分かりやすく見せてくれたりして「あっ、これいいですよね~」とか言ったりして、言いながらちょっと悔しいんですね。自分がやれなかったことまでアニメがやってるので、やっぱり刺激になりますよね。

──ルフィ役の田中真弓さんは「”尾田っち”は、きっと私たちの声で描いてるよ」と言ってました

尾田:あははは…、その通りですよ(笑い)。それは、そうですよ。だってルフィを描くときは、真弓さんの声しか出てこないし。そういうもんですよね。何でか知らないけど。そのまんまな人たちじゃないですか、誰が寄せるのか偶然なのか知らないけれど、キャラが一緒なんですよ。真弓さんって本当にルフィっぽいし、平田広明さんもサンジっぽい。あの人も黙ってれば格好いいでしょ?とかね。中井和哉さんは、要所要所でズバッとおいしいところ持っていくし…。本当にね、そのまんまなんですよ、あの人たち(笑い)。

──平田さんから、尾田さんに「サンジを昔みたいに、もう少し格好良く描いて欲しい」と伝えて欲しいと言われました

尾田:じゃあ、あなたが変わるべきだと(笑い)。

──平田さんは依然はおちゃらけて最後に決めるのがサンジのいいところだったのに、最近は決めてからおちゃらけるのが多く、いかがなものかと

尾田:あなたが変わってくださいと(笑い)。いゃあ、愛されてますよね、サンジは。原作で今後どうするかは、考えておきます(笑い)。

──今年は連載15年。映画、「ONE PIECE展」と相次いだ1年ですが、振り返ってみて

尾田:ふぅ~、あっという間でしたよね。この前、正月だったなぁ、という気分で。この1年は、本当に駆け抜けた気持ちでいっぱいですね。充実というか、記憶がないというか。う~ん…何月に何があったか覚えてないですよね。

──「ONE PIECE展」ではファンが殺到し、感動で泣き崩れたり、原画を食い入るように見る姿が印象的でした

尾田:泣けますよね。そうですか…。

──会場で流された尾田さんの映像で「少年漫画家でいたい」という趣旨のことをおっしゃっていました。なぜこだわるのですか

尾田:少年漫画雑誌を目指したからには、当然のことで。大人がいっぱい読んでくれていることは知ってますけど、大人に向けて描いたら子供が入ってこられなくなる。大人は出ていく、子供は入ってくるという循環を常に意識しているので。じゃないと、僕が大人に付き合っちゃうと、あとは入り口がなくなってちっちゃくなるばっかりで。継続するためには、常に少年に向いておく必要がある。それが僕のお仕事だし。

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